研究室
食品物性学研究室
食品物性学とは
食品物性学研究室では物理化学を中心に化学や生化学など様々な視点から、食品のレオロジー特性(テクスチャー)を研究しています。
食品のレオロジーとは、わかりやすく書けば歯ごたえやのど越しといった食品のテクスチャーのことになり、食品素材の物性や加工特性あるいは食の豊かさの表現に直接関係する分野です。
食の多様化、高付加価値化あるいは医療食や介護食に見られる食の機能化に対する関心がますます高まっている今日では、食品の栄養と安全性に並んで、口あたりや喉ごしといった物性的機能、いわゆる物理的な味が食の中心的な課題になっているのです。
人が感じる噛み心地などのテクスチャーは、圧縮試験機などによるマクロな物性測定によって評価され、配合や調製法などのトライ&エラーによる現象論的なアプローチによりテクスチャー設計が行われてきました。
しかしマクロな物性は、その背景にある分子レベルでの物性(ミクロな物性)を反映しており、革新的なテクスチャー設計のためには、これを解明することが必要です。
例えば、特に近年必要とされている介護食の開発においては、誤嚥の無い物性を付与する必要があるばかりではなく、柔らかいのに噛み応えを感じる介護食や従来の食感を保ちながら喉に詰まらない餅など、複雑で矛盾したテクスチャーの設計を達成する必要があります。
そのためには、食品物性をミクロな視点から分子レベルで根本的に理解し、これをコントロールする知識と技術が必要となってきます。これらの理由により、食品物性学研究室では「食品物性をマクロな視点とミクロな視点の両方からアプローチすることで深く理解し、それを応用する事」を目指しています。
指導教員
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松川 真吾 (マツカワ シンゴ)
MATSUKAWA Shingo
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職名: 教授
研究テーマ・キーワード:
磁場勾配NMR、食品ゲル、拡散係数
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髙橋 希元 (タカハシ キゲン)
TAKAHASHI Kigen
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職名: 准教授
研究テーマ・キーワード:
刺身、熟成魚、かまぼこ、すり身、鮮度、魚肉ゲル